Immoral 第6話

奪えない男

「あの…慧…

ちょっとだけいい…？」

階段の下で青山を呼ぶ

三島さんの声が響く。

隣で足を止めた青山が

私を見て…。

「樹里さん、

すぐ済むからちょっといい？」

ダメなんて言えるワケない。

「5分以内で」

「うん」

頷いた青山が

三島さんへと近づいて行くのを

階段の途中で見守る。

そのまま階段の脇へと

移動した青山と三島さん。

二人がどんな会話をしてるのかなんて聞きたくない。

それでもやっぱり私の視線は

青山を追ってしまって…。