110人が本棚に入れています
本棚に追加
「分かりにくいですよね…」
困った表情で笑う純一は、普通の青年と変わらない。
「それでも、必然ではない事も起きる…」
純一が唯一執着しているのは両親の事故だった。
あらゆる捜査にも証拠など出て来ない。私も不慮の事故だと思う他無かった。
全てにおいて純一の両親は普通だった。老人の直系である父親も、恋愛の末結婚した母も…
何の力も持たない純一の父は、ある時純一の持つ老人と同じ力に気付いて私に言った。
「こうなる事がわかってたから…父は結婚に反対しなかったんだな」
本当の事はわからない、けれども事実として純一がそうした部分を引継いだ事は間違いない。
最初のコメントを投稿しよう!