第3話

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グループ企業を売却したとは云え、各企業に数パーセントの株式を持つ本間の威光は絶大だった。 新しく建設されたビルには、それらの本社がずらりと入居をした。 頭の中に以前NYで起きた映像が浮かぶ。高層ビルが瓦礫の山になってゆく映像だった。 いくら純一と云えども、国家規模で抹殺を企まれたら立ち向かう術は無いだろう。 このビルが瞬時に崩壊するような事があれば、日本の経済そのものに与えるダメージは計り知れない。 もしかすると、そうした意図で純一がこのビルを建設したのかと思えた。 どれだけのボディーガードを配置しようが、高い塀で囲もうが常に危険は付き纏う。 ある意味で、鉄壁の要塞なのだと感じる。
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