110人が本棚に入れています
本棚に追加
実際弁護士としての私の知識など必要が無かった。
老人が誤解しているだけで、私に出来るのは単に手続き程度の事だけだ。
それでも彼には、金持ち特有の嫌味な態度も無い。
「沢木さん、祖父はどうでしたか?」
「ええ、今日は比較的ご気分が良さそうでした」
「そうですか…中々お見舞いにもゆけず残念です」
本間の息がかかった企業は膨大な数に上る。床に臥せった会長の代行として、恐ろしい数の稟議や決裁を行っていた。
最初のコメントを投稿しよう!