第3話

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セキュリティーの整ったマンション最上階。 純一は殆どこの部屋から出る事は無かった。色素の薄いサラサラの髪も誰かの手にかかる事はない。 他人に触れられる事を…いや、他人の前で無防備になる事を恐れている風にも感じる。 純一の事は幼少の頃から知ってはいたが、年に数度見かけるだけで交流は無かった。 老人が病床に伏せる事が多くなり、純一は驚く程に事業をコントロールする術を吸収していった。 訪れるのは、統括する事業のTOPだけで彼に友人が居る影すらない。 恐らくは私だけが多少なり気を抜いて話せる相手なのだと思えた。 翌日、車を手配して本宅へと向かった。 高い壁、幾つもの監視カメラ。威圧感のある大きな扉が開き、車が滑り込む。
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