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元親は、
「いいえ父上。私が狂鬼になったのは私への罰でございましょう。私が、男子なのに武士になることを拒んだから……。」
国親は首をふる。
「お前は悪くない。」
元親は何故か微笑み、
「私はもうこの城にはいられないのでしょう? ならば、後継ぎの問題もなくなりますよ。そんな悲しい顔をなさらないでください。」
国親はあまりに自傷的な元親に心を痛める。
元親は大切な我が子である。
そんな大切な子に、こんな苦しい思いをさせてしまっていたとは……。
「元親。お前はどこにもいかなくていい。ここに残ってくれ。」
そう言って元親を抱きしめる。
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