姫若子

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桜が満開に咲き誇っていたある日、土佐は嵐に見舞われた。 桜は折角綺麗に咲いていたのに、みるみるうちに散っていく。 その様子は不吉な何かを示しているようで、土佐の人々は皆恐れた。 「すごい嵐……。」 大きな部屋で一人で過ごしていた元親も、外の煩さで嵐の凄まじさを感じていた。 「何も起こらなければいいけど……。」 元親の身の回りの世話を命じられている、長宗我部の家臣、吉田重俊(よしだしげとし)が今日だけは実家に帰るとかなんたらで、元親の側から離れていた。 故に元親は余計に心細かった。
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