4人が本棚に入れています
本棚に追加
桜が満開に咲き誇っていたある日、土佐は嵐に見舞われた。
桜は折角綺麗に咲いていたのに、みるみるうちに散っていく。
その様子は不吉な何かを示しているようで、土佐の人々は皆恐れた。
「すごい嵐……。」
大きな部屋で一人で過ごしていた元親も、外の煩さで嵐の凄まじさを感じていた。
「何も起こらなければいいけど……。」
元親の身の回りの世話を命じられている、長宗我部の家臣、吉田重俊(よしだしげとし)が今日だけは実家に帰るとかなんたらで、元親の側から離れていた。
故に元親は余計に心細かった。
最初のコメントを投稿しよう!