姫若子

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「もと……ち……。」 「目を…………覚ませ……。」 誰かが私を呼んでいる様な気がする。 「もとちか。」 父上……? なんでそんな顔をしているの? 私は……、 元親はゆっくりと目を覚ます。 「元親!! 」 父である国親が元親の手を握る。 「よかった。目を覚ましてくれて……。」 元親は今だに意識が朦朧としている。 「父上? 私は……どうなったのですか? 」 いきなり、話したくないことを聞かれ、国親は唇を噛んでなかなか話さない。 しかし元親は、 「私は……半狂鬼になってしまったのですか……? 」 国親が元親の手を握る力が強くなる。 そして、 「すまなかった。私がいけないんだ。重俊がいないと分かっていながら、お前を一人にしていた……。」
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