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いつもと変わらない朝。
僕は朝には強いから、目覚まし時計を使わなくても学校へ行く一時間前には起きられる。
むしろ目覚まし時計を使うと無理矢理起こされている感じがするから嫌いだ。自分で起きられるのなら、そんな気分の悪い起き方はしたくない。
もう一度言うけど僕は朝には強い、とも思ったのだけれど今日はやけに体が、まぶたが、頭が重い。
こんな感覚は久し振りで驚いた。まるで風邪でも引いたようにしんどい。まさか、と思って体温計を手に取って測ったものの熱はなかった。
原因不明の気怠さに学校へ行くのを躊躇ってしまったけど、熱がない以上行かなきゃいけない。
重い体を起こしベッドから降りて携帯を手に取る。なんとなく開いてみると、表示されている時間は校門が閉まる八分前という事実に僕は、血の気が冷め、目も覚めた。
ちょっと今のは駄洒落がかっていたかな。おっと、そんなことを考えている場合ではない。
何故朝に強い僕がこんな時間に起きてしまったのか、制服を左手に、携帯を右手に持って考えた。
登校完了時刻に間に合わせることを諦めて、ゆっくり朝食の準備を始める。
今僕には食パンを焼ける程度の元気しか残ってないから、わざわざフライパンの準備はしなかった。
焼き終えた食パンを片手に椅子に腰掛けた瞬間思い出す。
そうか、楓だ。
今日はこの町に戻ってきた楓に、放課後会いに行くとなずなと約束をしたんだった。
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