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幼い頃の記憶を蘇らせる。思い出されるのは僕と楓となずな、それから義野の四人で遊んでいたこと。僕が楓のことを好きだったこと。楓が県外へ引っ越ししてしまって大泣きしたこと、ざっとこんなところだ。 四人は言わば幼馴染で、今も楓以外の三人は同じ園芸部に所属している部活仲間だ。 そして楓は僕の初恋の人で、実は今も好きな人、と言えば楓の名前が出てくる。 小学中学と高校の二年目に突入していて、それらを振り返ると性格的にも見た目的にもタイプだった人は沢山いたけど、やっぱり楓のように好きにはなれなかった。 そんな、僕の中では大きな存在になっていた楓に会えると思うと夜も寝付けなかった……そういえば夜中は本当に寝付けなかった。 最後に時計を見たのは午前四時半ごろだっけ。これが、原因かな。寝不足か。 とにかく逸りはじめた心を抑えて、いや、抑えきれずに駆け足で学校に向かった。
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