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夕焼け。
カラスが鳴く頃。オレンジの空。
普通の高校生なら学校の屋上か、或いは教室にいるか、グラウンドか体育館で部活をしている筈だがそうもいかないのが事実。
俺は青春する筈の夕暮れ時に、東京都内でカーチェイスを繰り広げていた。
公道を時速80~100キロで走り回り、標的の黒いベンツを、スポーツバイクで追いかけいる最中だ。
漆黒のライダー、ゴーストライダー、ブラックジャック。通り名を多く持つ男の後ろに俺は乗っていて、改造エアガンをベンツ目掛けてぶっ放しまくってる訳だ。
蛇足に運転手の名前は西条桐谷。
更にカオスな事に、後ろにはパトカーが四~五台に、白バイ、ヘリまで追いかけ来ているというカオス状況になっている。
先ずパトカー数台は、銀行強盗を働いたベンツを追いかけている。俺達もベンツの“中身”が目的だから追いかけていのだ。
言うなれば、強盗をした犯人の荷物を強盗してやろうという寸法って訳だ。
お金以外の物もあのベンツ野郎に盗まれているから報復がてら強盗してやろうと思ったのよ。
白バイまで来たのは、俺達が共犯者だと思われているのと、運転手が警察煽りのスピード違反の常習犯だからだ。
『そこのバイクと車今すぐ止まりなさい!』
マガジンを取り替え、寄って来たパトカーに射撃。フロントガラスに数発命中させると、ひび割れでフロントガラス全体が白くなった。
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