1章 赤髪の男

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入学式当日の朝…… ジリリリリリッジリリリリリッ。けたたましい目覚まし時計のベルが鳴り響く。 「ふあぁー」 なんとも大きなあくびをし、ベルを止めた。 「今日は高校生デビューかぁ」 と1人の少年が呟いた。 (それにしても眠いなぁ。昨日、遅くまでゲームしてたからな) いきなり鋭い怒声が下から聞こえてきた。 「進ー!入学式に遅刻するわよ~。遅刻よ、遅刻」 進は急いで目覚まし時計を見た。12時30分を指していた。入学式は1時に始まる。 「やべー。入学式から遅刻になる~」 のんきな声でそういいながらてきぱきと制服に着替える。新品の制服だ。30秒ぐらいで制服に着替え階段を降りた。すると、母が階段を降りたところに待ち構えていた。 「なんでこんなに遅くなったのよー?」 と鋭い目で見据えながら母が言った。
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