336人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
【美優Side】
『美優ちゃんが本当に好きなのは…誰なのか?』
空翔の言葉に、あたしは俯いたまま答えることが出来ない。
「空は狡いよ」
「そうだよね。俺は狡い男だ。でも今なら、美優ちゃんと向き合うことが出来る」
空翔があたしの肩に手を掛けた。ゆっくりと近付く顔。
空翔はあたしのことなんて、好きじゃないでしょう。
あたしと付き合う資格なんてないって、言ったじゃない。
どうして…
こんなことするの?
空翔の唇が触れる瞬間、あたしは…顔を逸らした。
空翔はそんなあたしに、優しく微笑み掛けた。
あたしは空翔のキスを拒んだのに、どうしてそんな優しい目で見つめるの?
「それが美優ちゃんの答えだよ」
あたしの…答え?
最初のコメントを投稿しよう!