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フゥ…と溜め息をついたストーカーはアタシを抱えたまま歩き、居間にあるソファに降ろしてくれた。
純和風でも居間は洋風なんだよね。
下は畳だけど。
あ…悠長に説明してる場合じゃないんだ!平穏に対処!
『ストーカーさん…ゴホゴホ。ご覧の通りアタシは体調ゴホッ体調が悪くて』
「風邪?」
『いえ…持病の…………』
「寿。持病なんてあった?」
『と、兎に角ゴホッ…今日の所はストーキングを諦めてパスタをお持ち帰りくだ』
「熱は?」
『のほぅッ!』
熱は?って言いながらオデコにオデコをこんにちはするから!
発した事ない奇声が!
「熱はない。良かった」
と、ふんわり笑ってサラリと髪を掻き上げられた。
わ…悪い人じゃないの?
あ、着物の袖から良い匂い…
『え…何で着物?』
って…
ちょい待って!
ナニ?
このストーカー…凄まじいイケメンと言うより麗人さんだし。
おでこを離したストーカーに、今頃…唖然としちゃったよ…
ソファに寝そべるアタシを見下ろすのは、綺麗な白髪…に灰色がかった髪。
少し長めの前髪はポンパドール風に上げて、若紫色の紐で結ばれていて白髪に映える。
反して肌は…日本人…にはあり得ない琥珀色。
え……外国人?
てゆーか…その目…
『目が…若紫色…』
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