平穏って

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思わずパスタを落としそうになった。 けど、若紫が片手でナイスキャッチ! 危なかった…大惨事に 『って今の方が危ないわ!』 パスタを若紫に預けたまんま、首元で鼻をスンスン鳴らす若紫の肩を、目一杯押し返す。 『ッ何で動かないの!岩!?』 「寿が俺に敵う訳ない。いつもしてるだろう?本当に良い匂い…早く食べたい」 『た!?アタシ生け贄なの!?』 「違う。俺のお嫁さん。花の…匂い…凄く甘い…」 『ッ!く…首元でそんな甘ったるい声を出すの禁止ぃ!アタシは花屋なんだから花の匂い位』 「違う。寿自身が花の匂い」 顔を上げて真面目な顔して言う、若紫の言葉を誰か通訳してくれませんか… 反論する力も無く、至近距離の若紫から解放された感にも項垂れたアタシに、スッとパスタを差し出す。 「食べないのか?」 『…もう…お腹も頭も胸も一杯です…』 「胸も?また大きくなった?」 『ちょいちょいムッツリ出すの禁止ぃ!』 「俺が食べさせる?」 『……キィ~ッ!』 怒りなんだか、悔しいんだか、恥ずかしさなんだか… 絶対真っ赤になってる顔を隠す為に、ソファから立ち上がって居間を逃げ…飛び出した。 その勢いのままお風呂場の脱衣場に飛び込んだ。
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