平穏って

15/34
前へ
/492ページ
次へ
『ハアハア…とりあえず落ち着こう…お風呂にも入らなきゃ』 湯船に最大出力の急ピッチで、お湯を溜め始めた。 『落ち着いて考えても理解出来るとは思えない…』 腰痛対策の炭酸入りの入浴剤を入れると、漂う香りに一息。 椿の香りって書いてるけどね、椿の香りってこんなんだっけ? いつも思うけど…入浴剤の匂いっていい匂いだけど、柚子以外は正しい匂いには… 『って…そんな事どうでもいいよ…ハァ…』 脱衣場に戻って服を脱ぎ始めるけど、着替えなんかはここに置いてるから心配ないの。 何の心配なんだか…脱ぎ終えていざ、入浴タイム。 『んふ~…生き返るぅ…』 凝った肩も…腰も疲れた足も、癒して下さい…炭酸さん。 湯船に愛用のポヨポヨ風呂枕を置いて、頭を乗せると極楽! 外は地獄…。 …若紫が犬…いや人。 違う…狛犬で嫁ぇ? 狛犬ってあの…神社とかの入口にある石の像でしょ? その時点で理解不能なのに… もし…それが本当だとしたら。 若紫は… さっき若紫が言ってた仕えてる方ってまさか… か…かかか神様? 若紫は…神様にお仕えして…? 『…昔話の方が何となく現実味がある気がする…』 てかアタシが若紫のお嫁さん!? ナニを言って…若紫は狛犬なんでしょうけどね、アタシは人間だし!
/492ページ

最初のコメントを投稿しよう!

890人が本棚に入れています
本棚に追加