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『……』
こんな所で寝ちゃダメだって…分かってても…つい目蓋が…
フアッ
『…?』
ナニ?この浮遊感……まさかの幽体離脱ですか!?
パチッと目蓋が開いた。
「あ」
『……へ?……どちら様で…』
目を開けた途端、見知らぬ人に抱き上げられた腕の中…ガッツリと視線が絡み合う。
…………あれ?
もしかして結構寝てた?一瞬の寝落ちじゃなくて寝てた?
え?床で寝てたアタシをご親切に部屋に運んでくれるのかな。
『…じゃなくて。ぎゃああッ!?だ、誰!泥棒!?降ろしてぇ!』
「…違う」
『ひいぃッ泥棒が喋った!ウチには金目の物なんてありませんから!コンビニのパスタで良かったら持ってって良いですから!店でチンして貰ってますけど帰ってチンし直したら美味しく頂けますから!助けてぇ!』
「寿」
『ことほぎ!?はい!確かにアタシが寿ですけど何か!?…ハッ!何故にその名を!まさかストーカー!?どっちにしたって平穏な人生サヨウナラ~!』
「寿、落ち着いてくれ」
『ハアハア……もうダメ…』
寝不足で疲れ果てた身体には、そんなに余力はなかったんだ…
叫び過ぎてクラクラする…
何かもうどうでも良くなって来て…グッタリとストーカーに身を預けてしまった。
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