乱気雲

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色恋沙汰がしたくてここにいるわけじゃない まあ、好きだから。 全部気にしないでいる、っていうのは確かに不可能なんだけど。 席に戻って、先にデスクに自分のマグカップを置くと、イチさんの隣にまわりこんだ 「どうぞ、ブラック」 「砂糖入れてねーだろうな」 ふ、ぐ。 ――聞いてたんですか、アナタ。 「ちょっぴり」 「……」 ちょっぴり甘くしてもらえませんかね、その態度を。 「ちょっとくらいならいーけど」 「え」 いいのかい!! 「そうですか」 はぁ、と。 やっぱ掴めん。 そう思った瞬間 「わっ」 グイッと引き寄せられて 「お前」 耳元で、イチさんの凄んだ、声 身体が不安定にイチさんに寄りかかって 「全くわかってねーな」 と、 ニットの襟ぐりを 引っ張られた。 またですか
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