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「いち、さ」
いつも、思う
イチさんが私を抱くときの視線が
怖いくらい冷静に見えて
その視線の中で、私は我を失ってどこまでも本能がむき出しになってしまう
そんな自分がわかってるのに、
それが。
どれだけ自分を羞恥な女だと自覚させられたって
身体は求めて
全てをさらけだして
もっと、私を
引き出して、欲しくて
熱気の中で、バスルームに響くのは自分の声だけで
狂いそうになる
全てが見えなくて
ぐったりとイチさんの身体にうなだれて、濡れた雫を滴らせる
かかえあげられた身体にバスタオルをかけられて。
運び出された私は、そのままベッドの上で、記憶を途切れさせた
起きたら、朝日
目覚めた隣には、無表情で眠る
イチさん
ああ、また
ここに、戻ってきてしまった
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