掛け違いの釦

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美紗緒の細い髪が濡れて肌にまとわりついて、赤くなった肌とでコントラストになる 濡れた肌が、艶さを増して、感情がさらに高ぶる ぐったりとうなだれて痙攣するその身体を抱えてバスルームをでる よそうと思ってたのに、またベッドの上で欲しいだけむさぼりついて 狂ったように夜中まで抱いた すぐに寝息をたててしまった美紗緒の姿を眺めながら、失笑する なんだってこんなに独占欲が強いのか わかってる 思い通りにいかないからだ 抱いてる時しか、美紗緒は俺の思うようにならないから 明日が来て、目が覚めて こいつは、きっと、なんともない顔をして、家に帰るんだろうな どうやったら、昔みたいに 俺だけがすべて、って あの頃みたいな美紗緒に、なるんだろう
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