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「俺、好きな人がいるんだ。」
美人で明るい恵理香からの告白に、
そう正直に答えた遠藤くん。
「………それでも、いいよ」
落胆した恵理香の声が、私のドキドキを少し押さえ込んだ。
「俺、その人に告白しようと思ってるから。」
美女から告白されても、
それを断って、自身の恋を貫こうとする美男子。
私は、一生そんなこと経験することはないけど
「………………相手教えて」
私も、その遠藤くんの心を射止めた女性が誰なのか、
知りたい。
「……噂とかなったら嫌だから」
「言わないよ、絶対。教えてくれるまで、この手離さないよ」
うお、
恵理香ってば、遠藤くんのこと掴んじゃってるんだ!
「学校のひと?」
恵理香の声は、震えがなくなっていた。
「………………うん」
逆に遠藤くんの声の方が震えている。
「俺、
図書室のお姉さんが、好きなんだ」
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