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<城内>
突然だが、俺は今首都にある城の会議室の天井の上にいる。
勿論情報収集のためだ。
無属性魔法『ステルス』を使っているからバレる心配は無い。多分。
下から話し声が聞こえてきた。
「テル、ホーリネス家の弱小化計画はどうなっている?」
「順調ですよ。まぁ、僕にかかればこの程度の仕事は朝飯前ですからね。」
「ならいい。お前の家が光の大貴族になったらこちらの方も頼むぞ。」
「お任せを。我がクレイス家の名に懸けて、必ずや大臣を国王にしてさしあげましょう。」
「期待しているぞ。」
成る程、これで状況がはっきりした。
まず、クレイス家が大臣と手を組んでホーリネス家を弱小化させて光の大貴族の座を奪おうとしている。
その後大貴族の権力を駆使して大臣を国王にしようと企んでいるということだな。
随分と自分勝手な奴らだな…
「ところで…」
大臣が言う。
「なにやら天井で音がしていますなぁ。」
「確かに、何者かの気配がしますねぇ。」
……きっとニヤニヤしながら言ってるんだろうな…
どこまでもウザい奴らだ……
「では、試しに気配のする所に魔法を撃ってみますかね。」
「うむ。撃ってしまえ。」
「では…『ファイアランス』」
魔法によって天井の一部が貫かれ、そこから落下した
……ネズミが。
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