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<ユウキ宅>
「おーい、偵察してきたぞー。」
「お帰りです。無事に帰ってきてなによりなのです。」
…それ、パンケーキを頬張りながら言うセリフか?
というか勝手に食料食うなよ。…あ、そういや勝手に食っていいって言ったっけ?なら良いや、こっちが悪かった。
クィナルを保護してから3日後に首都に引っ越し、それから1週間経った。つまり、今はあれから10日。
すぐにクィナルをホーリネス家に届けることも可能なのだが、今のホーリネス家の状況を考えるとクィナルが戻るのはあまり好ましくない。
だから暫くは俺が借りている家で匿うことにしたのだ。
したのだが……
「匿われてるとは思えない寛ぎっぷりだな…」
普通は匿われてる奴はパンケーキを食べたり紅茶をのんだりしないと思うんだが…俺の常識が間違ってるのか?
クィナルは自信満々に答える。
「ふっふっふっ、その考えは古いのです。こうして自然体でいれば匿われてるとは思われないのです!」
「ああ、そうかもな……そんな整った顔さえしてなければ。」
「………。ですね…」
一気に暗くなった空気の中、クィナルに現状報告をする。
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