先生と子猫な私

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 ここまでする?  そんなに見たい?  私の妄想。私の私の恥ずかしい頭の中。  じゃ、じゃあ先生だってそれなりの代償を払って貰わなきゃ…  それに、明日も、明後日もここに来ていいって、言ってくれたら考えてもいいよ。  考えるだけだから、飽く迄も。    抱き抱えられたままでは、交渉がうまく行く筈は無い。  とにかく、抜け出そう。  ふらふらと先生を押しやってソファに向かう。  が途中で先生に捕まり、私の腰に手を回そうとするが身長差で叶わず。  先生は「ソファ?」と聞きながら私を抱き上げてしまった。    うわっ、お姫様抱っこ、初体験です。  降ろしてと言う間も無く着地。  「やっぱり、軽過ぎだろ?」  「そんな事言ったら、身長より胴回りの方が多くなっちゃうから。いいんです!」  「ぷっ」  「あ、今想像した!」  「してない、してない。それよりURLは?」  そう言って物置になってるテーブルから、スマホを持って来て隣に座る。      「先生の事、教えてください。それと、ここにまた来ていいですか?」  「ここに来たい?」  「……来て…いいって言ってくれたら…」  「男の部屋に?」  「先生だもん、最初に…連れ…込んだ…の。」  「さっきみたいに抱っこしてもいいの?」  今日、何回目だろう、またカッと顔中が火照って来る。  だって、抱っこして欲しいんだ。本音は。  死んでも口に出せないけど。  顔を背けて黙っている私を見て。  「そっか、して欲しいんだ…」  「ち、違う!」  って振り返ったけど、  ぽすっとまた、先生の胸に囚われてしまった。  もう、絶対敵わない。  「いくらでも来ていいよ、いくらでもこうしてあげる。」    先生の腕の中で頭を撫でられて、先生の声を聴いて何故かとろっと気持ち良くなってしまう。  「先生の事教えてくれる?後、唄も歌って欲しい。」    「欲張りだね、でもいいよ、唄ってあげるよ。それに何を教えて欲しいの?」  「ええと、先生はなんで、先生になったの?」  そう聞くと、急に溜め息をついて腕を離し、物憂げな表情で私を見る。    「いきなりそこ?容赦ないね、うちの子猫は。  ……じゃあ、URL、教えて」   先生、しつこい。     
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