先生と子猫な私

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 先生をちょっと睨んで見上げると、また頭を押さえられて先生の胸に押し付けられてしまう。  玄関の廊下で。  突然の事にドキンと心臓が鳴りキュっと締め付けられるように痛む。  もし今心電図とかが繋がっていたら、お医者さんが飛んで来るかも知れない。  先生の片手で押さえられているだけで、抱きしめられている訳じゃ無いけど、先生の心臓の音と、先生のTシャツ越しの体温と、先生の匂いが心地良くて、だんだんぼーっとして来た時先生の声が耳元で聞こえてまたドキンとする。    「ホント、分ってないんだ。  冗談でも言ってないと保障できないって。」  ん?保障?なにを?  「今日、何処か行く?車で」  疑問ははぐらかされたままだけど、その提案は気になる。    「お出かけは嬉しいですけど、ゴールデンウィークだから何処も混んでますよね。  それに人目が…今日、私がご飯作ってもいいですよ。  お父さん夕飯に帰って来れないって言ってたし。」  先生は、そばの壁に腕を伸ばして寄り掛かると、頭を下げてすっかり反省ポーズをとって、「は~」と大きく息を吐いた。    「わかった。やりきって見せるさ。自分で決めた事だ。」  「……?」    何か意味不明な事をぶつぶつと言ってる先生を残して、私はリビングへ入りすぐ右にあるキッチンへ向かった。  冷蔵庫を開けて中身の確認。  ビールとお茶のペットボトルと、牛乳。  調味料も冷蔵庫の中だった。    野菜は、昨日使ったサラダの残り  あるもので何か作るのは無理かもしれない。  しょうがない、メニューを決めて必要な物を書き出そう。  先生買い物行ってくれるかな?一緒に行きたいけど、それは無理だ。  リュックから紙とペンを取り出して、さて如何しようと思ったら先生がやって来た。    「なにやってるの?」  「先生何食べたいですか?  レパートリーはそんなに無いですけど、レシピ見ればできますよ。    先生に買い物頼まなきゃいけないけど。」  「じゃあ、PC見て決める?二人で作れそうなの探そうか。」  「は、はい!」  先生と一緒にお料理か~あれ、楽しいんだけど、ドキドキしちゃうんだよね…    ひょいと近くに先生がいたりして。  なんて、考えながら、先生の後についてPCを見に行く。
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