先生の秘密の彼女

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     チャイムが鳴って先生が教室に入って来る。    ああ、いつもの先生だ。  出席をとる声  「橘。」  「はい」    名前を呼ばれて返事をしたが、先生は一度もこっちを見ない。  先生の言葉が脳裏に浮かぶ。    「くれぐれも秘密で…  アウトはアウト  ばれたら転校、俺は退職…」    そうだよね、私のニヤケ顔を封じなきゃね。  「それから今日から職員室、教科準備室、は生徒の立ち入り禁止だから。    中間テスト終わるまで、気をつけて。」  え?嘘!  先生と会える場所どこかある?  先生の笑った顔が見たいよ。  悪魔の微笑みだっていいよ。  先生が教室から出て行く。  私も席を立って後を追おうとした時、私の肩を誰かが叩いた。    「柚衣ちゃーん!ちょっと聞いて聞いて!」    ゆーかさんに腕を取られ引っ張られて行った先は女子トイレ。  え?  だ・い・じょうぶ?…だよね? 
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