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ピピッピピッピピッ
ピピッピピッ
ベッドサイドテーブルにある筈のケータイを手探りで探り当て、闇雲にどこかを押して取り敢えずアラームが止まる。
急がなくちゃと思っているのに、体がゆっくりとしか動かない。
何とか着替えて、よし行くぞ。と思うとリュックが無い、どこだっけ?あれ?
ピピッピピッピピッ
ピピッピピッピピッ
ん?あれ?アラームが鳴ってる?
ピピッピピッ
ガバッ
今日、月曜?
何時? わっ7時だ!さっきの夢だったか!
電車間に合うかなー
とにかく着替えて階下に駆け降りる。
「おはよー柚衣間に合うのかー?」
「あれ?お父さんまだいたの?お店、行かないの?」
いつもはとっくにお店に行ってるお父さんがのんびり、コーヒーを飲みながら新聞を読んで居る。
「柚衣、朝ご飯どうするんだ?」
「うーん、食べる時間無いー」
バスルームに行き脱衣所にある洗面台で顔を洗って、適当に化粧水と乳液だけ付けて、お父さんの前を通り過ぎ、時計を見ながら玄関へ行く。
「駅まで送ってこうか?」
「え?いいの?」
「5分待てるか?」
「待てる!」
車なら信号待ちしても駅まで10分、大丈夫ぎりぎり間に合う。
助手席に乗り込み家を出たところで時計を確認し、ほっと一息吐く。
「お父さん、ホント今日はどうしたの?」
隣でハンドルを握るお父さんの方を向き話し掛ける。
「うん、深夜のバイト君に8時まで頼んだんだ。」
「へー、よかったね!」
「よかったか?」
「え?よかったでしょ?お父さん、少し楽になるし。」
「そうだな。」
何か考えているようなお父さんに、変なのと思いながら私も話しかけるのをやめた。
「おはよー、ゆいちゃん」
「真理ちゃん…おはよー」
何とか先生より早く教室に滑りこめた。
「橘、おはよ。放課後実行委員会あるよ、覚えてる?」
「あ、山田君おはよ。あーそうだったねー、明日体育祭の予行だもんねー」
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