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声もかけずに部隊長が入ってきた。
「どこか負傷したか?」
おれは上半身を起こした。通常なら上官に無礼だと殴られるのだが、このロック=スゥィーニーとは深い付き合いなのだ。
「いやただまどろんでいただけだ」
なんとも間抜けな受け答えだ。
「そうか…ジョルジュのやつがさっき転送された」
「深手だったからな」
おれはまた寝転びながら深く息を吐いた。
「転生はだいぶかかる。新しい傭兵を募集しているが、すぐにはいかん」
ロックの右の義眼が鈍く光る。
「おまえに副管をやってもらいたい」
「ああ…」
おれは承諾とも拒絶ともとれぬ返事をした
「頼んだぞ」
一瞥したあとロックが紅のマントを翻したやつは返り血を気にする。やつの装備はおしなべて紅い。
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