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「もう!芝山さん!如何して教えてくれなかったんですかっ?!」
「心配しとるからや。俺でも連れて行けへんで、今の君は。」
「芝山さんの気持ちは聞いてませんっ!」
「んまっ、此の子は!可愛ないなぁ!ほんなら、本人帰って来るまで大人しゅうしとき。」
「それじゃあ遅いんですっ!!」
「あんなぁ、忠…」
「待って、芝山くん。」
「牧村さん。」
「良いか、細川くん。」
「……はい。」
「他人事に、他人が口を挟んではいけない。勿論、足を踏み入れる事も…今は賢明とは言えない。」
「謹慎中だろ、君。」
諍いにするりと入り込む牧村の声は、そうして瞬時に場を凍らせた。
「うわ、きっついなぁ…。」
大らかに答えていた芝山すら、半身を引く程の制止だ。
本人にも流石に刺さったのか、呼ばれた細川はしゅんと頭を垂れて呟く。
「……だって…。」
「君が行けば、蒲生くんが必ず生きて此処に帰って来れるとでも思ってるのか?」
「…、其れは……。」
「戦での思い上がりは…余計な犠牲を増やすだけだ。」
「………ごめん…なさい…。」
「分かれば良い。」
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