あられおじいちゃん

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あられおじいちゃん

   僕のおじいちゃんは、とても頑固だった。  テレビだとか、メディアだとか、そう言った類のものが嫌いらしかった。だから、おじいちゃんの家にはテレビがなかった。  いつも自分の家にテレビがある僕はそれがつまらなくて、おじいちゃんの家に行っても、あんまり面白いと思わなかったんだ。  それだけじゃない。  僕のおじいちゃんは、いつも静かだった。  かと思えば、大人同士の話で自分の気に入った話があると、大声でガハハハと笑ったりした。  でも、僕の話を聞いて笑うことは、少なかった。「ふん」とか「ほぉ」とか、そんな返事ばっかり。  だから僕はそんな時、おじいちゃんが席を外したら、その椅子に座ってやるんだ。  木製の椅子に白いタオルがかけてあって、小学生の僕には少し大きい。おじいちゃんのお気に入りの椅子だった。 「おぉ?」  おじいちゃんは僕がそこにいるのを見つけると、 「何やってんだ」  ってニカっと笑って言うのだった。  
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