空きビン

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空きビン

      "僕は空きビン 空っぽの空きビン 伝えたい言葉も無いから 波打ち際で拾われたって 結局最後は砂の中 僕はただの     汚い空きビン" 「は?何これ詩?  あんたが書いたの?」 「あっ勝手に見るなよ!」 「質問無視か。ねぇ訊いてんのに。あんたが書いたの?」 「……そうだけど」 「ノンフィクション?」 「ご想像にお任せします」 「ふーん……。あんたが空きビンなら私は花ってとこかな」 「何故」 「花瓶に使えるじゃない。汚れなんて洗っちゃえばいいでしょ。私なら可愛いから画になるわよー!」 「…………」 「ちょっと、何笑ってんの」 「いや何でもない。返せそれ」 僕は空きビン 空っぽの空きビン 物好きな花がやってきて 固かったハズの僕のフタは いとも簡単に外された 今は幸せで      綺麗な花瓶 -終-
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