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小学4年か、5年か、それぐらいの冬だった。
おじいちゃんの家に行くと、その日の夜は、家から少し離れたお寿司屋で食べることになった。
親に聞いたら、おじいちゃんがおごるということは滅多にないそうだ。結構大きめな回転寿司店で、その動く台の長さを見て、僕は少し興奮した。
母さんに促されるままに、僕と妹は2人でおじいちゃんとおばあちゃんの隣に座った。どっちがどっちの隣だったかは覚えてないが。
やたら玉子が好きだった僕は(今もだが)、回転寿司に行くと真っ先に玉子の皿を取る。その日も、前の方から黄色い物の乗った寿司が流れてくるのを見て、早く早くと身を乗り出して手に取った。
その店の玉子が、上に玉子が乗っているのではなく、玉子の間に酢飯が挟まれているのに気付いて驚いたっけか。
一方妹はイクラとかサーモンとか、比較的高い皿が好きだった。目の前にイクラの皿をおじいちゃんが置いてやると、ケラケラ笑ってテンションを上げると言った具合だ。
おじいちゃん達は僕達の様子を見て、兄妹でもこんなに違うのねぇ、などと面白がっていた気がする。
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