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それからというもの、おじいちゃんは足腰を悪くして寝込んでしまい、いよいよ僕との会話は少なくなった。リウマチとかいう病気だったか。
家に行ったらこんにちは、帰る時にはバイバイ。
本当にそれだけになってしまった。
もう、椅子に僕が座っても何の反応もしなくなっていた。
そして中学に上がったか上がってないかの時に、おじいちゃんは死んだ。
最近、僕はよくおじいちゃんに似ていると言われる。
おじいちゃんのお気に入りの椅子には、伯父さん(父さんの兄)が座るようになった。
それが何故か気に入らなくて、僕はその姿を見るのが嫌になった。こう思っているのは僕だけかもしれないが、何となく…あれが唯一僕とおじいちゃんを繋ぐ物みたいな気がしたから。
そんなふうに僕が思っているにも関わらず、椅子の隣にある棚の遺影の中で、滅多に笑わないおじいちゃんが、ずっと笑っているのだった。
-終-
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