プロローグ

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 ――と、静かな海面に再度白泡が立つ。  そこから現れたのは、先ほど鉛玉の雨を浴びた魚型の魔物である。  見たところ、相当ご立腹の様子。  自慢の鱗をズタズタにされたのが許せないらしい。  明らかに怒気がこもる眼光は、当然ツインテールっ娘に向けられていた。 「はわわわわ~! ま、まだリロードが終わってないですぅ」  などと半ベソをかきながら抗議するが、残念ながら相手は魔物である。  人語を解せるほど、その知能は高くない。 「ふええ~! 助けてください~! このままだと、エイミー擂り身になっちゃいます~!」  泣きじゃくる彼女に魔物が大口を開けて迫る。  だが、その間に一台の水上バイクが割って入った。
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