1人が本棚に入れています
本棚に追加
その水上バイクには、白い板前服とねじりはちまきを身につけた若い男性だった。
「エイミーちゃんを擂り身なんてさせへんでぇ!」
西部訛りの叫びを魔物にぶつけ、彼は背に負う片刃の大剣を抜き、切っ先を魔物にむけた。
その姿はまさに、ドデカい出刃包丁を構えた板前そのものだ。
「見とれよおどれ。このケンジロウ様が綺麗に捌いたる!」
そう言って、彼は片刃大剣を肩に担ぐように構えた。
そして、魔物との間合いを見極め、大剣を振る。
「チェエエエストォオオオ!」
――ぶおんっ!
野太い風切り音が鳴り、大剣の刃が魔物の額を捕らえる。
鋭い刃は、いとも簡単に魔物の鱗と肉を斬り裂き、大きなダメージを与えた。
「よっしゃ! シメは任せたでー! お二人はん!」
最初のコメントを投稿しよう!