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「でも、私は『推理のできないシャーロック』なのよ」
「よ~く思い出して」
ジョンは焦らず、ゆっくり思い出す時間をくれた。
(このベルの並びは……何か二十一個の物があったはず? ABC~! アルファベット、しかも、タイプライターの形ね……ならば、L・O・V・E……)
「うそっ! 告白だったの?」
「そうなんだ、いつも一生懸命に生きている君が――」
「……ごめんなさい……私、年下趣味じゃないの……それに、あなたはお風呂入っているの?」
「えっ!」
「不潔なのは一番嫌いなの」
「マスターをお風呂に入れるぞ!」
時計人形達がそう言いジョンを連れて行く。
その間、お茶を飲み、お喋り用時計人形としゃべっていた。
「でも、でもさ~、いきなり告白してきてもねぇ、こっちは何も知らないっていうのに」
「そうですよね」
お喋り用時計人形は丸くてころころしているのでテーブルを転がすと。
「おやめください」
とか言うので、面白がって遊んでいた。
「お待たせ」
お風呂に入って髪を整えたジョンはめちゃくちゃ美少年だった。
うっ! かっこいい。
「ミスティ、僕の気持ち、長く待つから受け取ってくれる」
キラキラした瞳でこっちを見つめ、断れない……。
かっこいいわ、ウソみたいに。
「わかったわ」
「わーい」
「やりましたね、マスター」
時計人形達と、とても楽しそうに喜んでいる。
(悪い子じゃないのよね)
「でもね~、私はどちらかと言うと、やっぱり、この青年時計人形の方がタイプだわ」
「ええ! でも、僕もすぐ大きくなりますよ」
「でもねぇ」
ジョンは黙ってしまった。何かを考えているようだ。
「そうだ! 大人になる薬を作ろう」
「そうしましょう」
「ファイト! マスター」
「……」
ミスティはどうしたらここが静まるのか知りたい。
その日はそれで帰ったのだが。
「エレベーターの場所を教えておくから、また来てね」
と言われた。
まあ、楽しかったし、また行こうかな? と思った帰り道で。
「ミスティちゃん」
アリスおばさんが、話かけて来た。
「はい」
すかさず返事をするが。
「『呪われた時計塔』には、まだ行ってないのかい?」
「はい」
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