時計塔で出会う!

4/11

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
 ――シャルロットが歩いてくる。  わかっている、シャルロットだって一生懸命取材してスクープを取っている努力の人なのだろう。 「まさか、あなたも、この町に来る『スーベ・ラロー二』の写真を取りに来たの?」 「えぇ」  偶然だけどそう言うことにしておきましょう。 「絶対負けないから」  シャルロットは巻毛を上下させながら、きつい声でそう言う。 「じゃあ、私も負けないわ」  ミスティも勝負に乗ってしまった。  とは、言う物の、どこに『スーベ・ラロー二』が出没するのかわからない。  ――でも~~。  『スーベ・ラローニ』はこの先のカフェによく行くって言ってたわ、しかも、これは、私が足で見つけた情報だから、誰も知らない。 (やった~~~! これで、スクープは私の物ね!)  走って、そのカフェに向かうと案の定。  ――いたいた。  『スーベ・ラローニ』が女の人の腰に手を回しイチャついている。  熱愛情報は一覧飾れるのよねぇ。  政治や経済は取材しなくても値を載せるだけや、放送の内容を載せているが、大体の情報は他の新聞社が載せているので、芸能の方が一面を取りやすい新聞社に所属している。  カメラのシャッターを切る。  新聞社へ行くと。シャルロットが。 「どうせあなたも出戻りでしょ」  不機嫌そうなシャルロットに上機嫌なミスティ。 「いいえ、編集長、『スーベ・ラローニ』のスクープですよ~」 「本当かい? ミスティ君! 君はよくやった、やればできる子だとは思っていたよ」 「ありがとうございます♪」 「ふん」  喜ぶミスティにシャルロットは。 「私がMiss teaしちゃったみたいね」 「tea timeの写真だからかい?」  編集長がシャルロットのダジャレに乗る。 「シャルロット、ミスティーとかMiss tea とかやめてよね」 「変な名前のあんたが悪いのよ」 「……」  いつもなら反撃するところだが止めた。 「どうしたの?」  シャルロットが不思議そうに心配してくる。 「いいえ、なんでも」 「調子狂うわ、ミスティが元気じゃないと……」  と小声でシャルロットは言ったが、丸聞こえ、何だかんだいって二人は仲が良いのである。  家に帰ることにして、興奮冷めやらず、料理を作っていた。 「一面とった~」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加