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――シャルロットが歩いてくる。
わかっている、シャルロットだって一生懸命取材してスクープを取っている努力の人なのだろう。
「まさか、あなたも、この町に来る『スーベ・ラロー二』の写真を取りに来たの?」
「えぇ」
偶然だけどそう言うことにしておきましょう。
「絶対負けないから」
シャルロットは巻毛を上下させながら、きつい声でそう言う。
「じゃあ、私も負けないわ」
ミスティも勝負に乗ってしまった。
とは、言う物の、どこに『スーベ・ラロー二』が出没するのかわからない。
――でも~~。
『スーベ・ラローニ』はこの先のカフェによく行くって言ってたわ、しかも、これは、私が足で見つけた情報だから、誰も知らない。
(やった~~~! これで、スクープは私の物ね!)
走って、そのカフェに向かうと案の定。
――いたいた。
『スーベ・ラローニ』が女の人の腰に手を回しイチャついている。
熱愛情報は一覧飾れるのよねぇ。
政治や経済は取材しなくても値を載せるだけや、放送の内容を載せているが、大体の情報は他の新聞社が載せているので、芸能の方が一面を取りやすい新聞社に所属している。
カメラのシャッターを切る。
新聞社へ行くと。シャルロットが。
「どうせあなたも出戻りでしょ」
不機嫌そうなシャルロットに上機嫌なミスティ。
「いいえ、編集長、『スーベ・ラローニ』のスクープですよ~」
「本当かい? ミスティ君! 君はよくやった、やればできる子だとは思っていたよ」
「ありがとうございます♪」
「ふん」
喜ぶミスティにシャルロットは。
「私がMiss teaしちゃったみたいね」
「tea timeの写真だからかい?」
編集長がシャルロットのダジャレに乗る。
「シャルロット、ミスティーとかMiss tea とかやめてよね」
「変な名前のあんたが悪いのよ」
「……」
いつもなら反撃するところだが止めた。
「どうしたの?」
シャルロットが不思議そうに心配してくる。
「いいえ、なんでも」
「調子狂うわ、ミスティが元気じゃないと……」
と小声でシャルロットは言ったが、丸聞こえ、何だかんだいって二人は仲が良いのである。
家に帰ることにして、興奮冷めやらず、料理を作っていた。
「一面とった~」
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