時計塔で出会う!

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 と叫び料理を食べている。ミスティは、料理は時々一人暮らしなのでしなければいけないのだ。  次の日の新聞は一面に。 『スーベ・ラローニ 熱愛 相手はモデル キャロルだと思われる』  誰が調べたのか、相手のことまで書いてある。しかし、写真は間違いなくミスティのものだ。  ――うれしい。 「! また手紙?」 『とけいとう』 「だから時計塔がどうしたって言うのよ」  また気味が悪いので、破り捨てた。  そんなこともあったが、出社し、ウィルと会議があった。 「ミスティ、二人きりになれてうれしいよ」 「何? セクハラみたいなこと言っているのよ?」 「お茶にしよう、今回はMiss teaなんかさせないよ」 「……あなたバカにしているの?」  ミスティは紅茶に口を付け案外おいしいダージリンだ。 「ミスティ、新コーナーを任せたいんだが」  そう言った瞬間、お茶を置いてミスティは立ち上がった。 「えっ! 新コーナー!」 「『子供の疑問に答えよう』のコーナーを任せたいのだが……どうだい?」  コーナーはおいしい、逃してはだめね。 「当然、受けてあげるわよ」 「その答えを期待していたんだよ、僕のミスティ」 「……誰のですって?」 「僕の」 「ひっこめ、ばか」  そのまま一気に紅茶を飲みほし、部屋を出ていく。  編集長にたくさんのはがきをもらい、新コーナーへの準備を始めた。 「これが良いわ」 『黒猫が横切ると幸せに成れるんですか? それとも不幸になるのですか?』 「え~と、どちらでもなく迷信、猫一匹で人生は決まらない、でいいかな? 次は……」  コツコツとこなしていく、ミスティは、しばらくデスクワークが続いて、疲れて家に戻り。 「お母さん、お父さん」  ミスティは、疲れても、手紙を一週間に一度書いている。  静かな夜にペンを走らせる。 『 仕事はうまく行っているよ。   同僚ともうまくやっているよ。   編集長はすごく優しいのよ。   私は一人暮らしにもなれたんだよ。   でも、時々、お母さんとお父さんに会いたいな             ミスティ・シャーロック・ハロバルより 』  短い手紙だが書くことはこんなものだろう。  朝、新聞を取りに行くと。 「また手紙? どうせ『とけいとう』でしょ?」  やはり『とけいとう』と書いてあった。
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