15人が本棚に入れています
本棚に追加
「しつこいなぁ? 嫌がらせなら早くあきらめてもらわないと」
また手紙を破り捨てる。
(――ごめんね、また、破られちゃった)
「いいんだよ」
「もっと何かした方がいいんじゃない?」
「でも、もし彼女が違うんだったら? これ以上の情報はあげない方がいいよね? 待つんだよ」
「うん」
「編集長~」
今日は出社日で出社したのだが、調子が乗らない。
「ミスティ君に今日は休暇をやろうか?」
「えぇ!」
「いやぁ、シャルロット君にもウィル君もたまに休むのに、ミスティ君ばかり出社させて申し訳ないだろ」
「はぁ」
私は遅れを取り戻したいのだけど……ここは編集長に従っておくか。
「では、休暇をいただきますね」
そう言い、休暇をもらったはいいが、家にいてもやることはない。
「そうね! 部屋の掃除でも、するか」
確かにミスティの部屋は散らかっている。
(一日で終わるかな?)
ミスティは片付けられない女ではないのだが、忙しいと、たまってしまうようだ。
「わ~、ほこりだらけ、ゲホゲホ」
マスクをしてはたきをかける。
終わらないように思えていた掃除は、三時間後には部屋はきれいになっていた。
「やっぱり、私ってやる~」
昨日買っておいたスナック菓子を食べながらラジオを聴く。
《今日の天気は……》
ジジジジと音がしてチャンネルを変える。
《昨日起こった。宝石強盗事件の犯人が捕まりました。犯人は二十代の男性三人グループだと~~》
眠い。
大したニュースだが、興味がわかない、うとうとして、結局眠ってしまっていた。
はっ!
「午後五時~~! かなり寝ちゃった……ご飯作ろう」
眠たげにそう言う。
冷蔵庫を見て。
「ありゃ? 食材がないや」
近くの商店街に行くことにして、財布を取り出す。
商店街に来ると。
「にんじんとキャベツください」
「はいはい」
嫌々やっている、店主の八百屋である。
「ふぅ、ベーコンください」
肉屋でベーコンを買い、家に帰ると、ポストに手紙を入れている人がいた。
(郵便屋さん?)
一回そう思った。
しかし、私の家のポストに入れているあたり。
「あなた、まさか『とけいとう』の人?」
そう言うと、人間では出せないだろうと思うほど、速いスピードで逃げていく。
最初のコメントを投稿しよう!