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「ストーカー?」
いやいや、宇宙人?
落ちている手紙を見ると、やはり『とけいとう』だ。
――もしかして、すっごい事に巻き込まれていたのかしら?
ミスティは手紙を拾い部屋まで持って行った。
「よくやったよ」
「でも、見つかったよ」
「でも、興味を持ってくれたみたいだし、もうすぐだよ」
「はい、マスター」
「う~ん」
ミスティは考えていた。
(時計塔……ビッグ・ベン?)
考えていても始まらないので隣人にあいさつしに行くことにしたのだが……鏡を見て。
髪の毛ぼさぼさになってる。
髪の毛を整えた。できるだけ良い印象を与えることが出来る髪型にする。
隣の家のドアを叩く。
「はーい、どちら様ですか?」
出てきたのは太ったおばさんだった。
少しパン屋のおばちゃんに似ている? まぁ、この類の人種は似ていることが多い。
と思いつつ、時計塔について訊く。
「え~と、私、隣に引っ越してきて一か月になる、ミスティ・シャーロックと申します。これからよろしくお願いします。これ、隣に引っ越してきて、お世話になると思うのでプチケーキです。食べてくださいね」
頭をちょこっと下げる。
「まぁ、ケーキ、私大好きですわ」
でしょうね、たくさん食べてそうですもの。
なんて思ったことは秘密にして愛想の良い笑顔を浮かべおばさんの話をしばらく聞いていた。
「私はアリス・バッカートと言うの、困った時は助けてあげるわね?」
「ありがとうございます。あっと、早速聞きたいのですが? 『時計塔』の場所って知っていますか?」
「お嬢ちゃん、時計塔に用があるのかい?」
「はい、でも、この辺にはないですよね?」
「あるわよ、ここから三百メートルを行った先の『呪われた時計塔』と言われている所ならあるけど、でも、言ってはダメよ」
――呪われた? あの人は幽霊だったのかしら? この前見た人は背の高いかっこいい人だったなぁ。
ミスティは部屋に戻って来ていた。
「アリスおばさんよさそうな人で良かった」
タイプライターを打ち仕事の続きをする。
(『呪われた時計塔』か~)
と心の端で好奇心がわくもので……。
(スクープだったりして……)
その日は仕事を終わらせ、そのまま寝ることにした。
その時、謎の人物が、笑っていた。
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