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「これでミスティはこっちに来るね」
「マスター良いんですか?」
「うれしいなぁ、僕一目惚れしちゃったんだもの」
今日は出社の日。
「ぬぬぬ……また遅刻よ~」
今日も駅でパンを買い、そのまま、汽車に乗り、いつも通り会社へ。
「へ、編集長! ぜーぜー」
「ギリギリセーフです」
「いいえ、ギリギリアウト、五秒遅刻よ、ミスティー」
シャルロットがバカにする。
「シャルロット~~~!」
「仲が良くていいね」
編集長は嬉しそうかつ楽しそうに眺めている。
「そんなこと言ってシャルロット君、君は、「ミスティがいないとつまんない」ってぶつぶつ言ってたではないですか?」
「!」
シャルロットの顔が赤くなる。
「なんだ、シャルロットさみしかったんだ」
「そ、そんなわけないでしょ」
そう強がるが、赤い顔で言われても説得力のかけらも無い。
「ウィル?」
「僕もさみしかったんだよ~」
ウィルが抱き着こうとするので手で弾き返す。
「ミスティ君は人気者ですね」
騒ぎが収まり、編集長と話していた。
「『呪われた時計塔』って記事になりますか?」
「そうだね、殺人事件でも、起きていれば、大スクープだが、ただの怪談だと、スクープにはならないし、後者の方が多いですし……」
「ですよね、でも、私は、呼ばれているの」
編集長に『とけいとう』の手紙を見せた。
「これは……なんですか?」
「だから、宇宙人がいたの、しかも、そのメッセージ毎日、私によこすのよ、何か怖いじゃない」
「そうですね~」
編集長はニコニコ笑ってお茶を飲んでいる。
編集長~~~……ダメだこれ。
「気になるなら、言ってみるべきですよ、ミスティ君は、記者なんだから、調べてみるのは大事なことです」
「そうですか? なら、行ってみます」
家に戻らずアリスおばさんの話を訊くことにした。
「『呪われた時計塔』かい? まさか、お嬢ちゃん、行くつもりじゃないだろうね?」
「行くつもりです」
「生きて帰ってこられるか? と言っても行くのかい?」
「それでも行きます」
完璧にミスティの記者魂が騒ぎまくっている。
アリスおばさんに地図を書いてもらい、『呪われた時計塔』へ向かう。
着いた先は、大きな時計のついた怪しげな塔だ。
――まさに『呪われた時計塔』だわ。
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