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その場で少し立ち話をした。
彼らは小学6年生でサッカーチームに入っていて、練習が午前中で終わったから、自主練習を兼ねてこの河川敷に来たと、いうことらしい。
「へぇ、エライね。じゃあ、みんな自主的に練習しに来てるんだ! すごい、すごい!」
私は思ったことをそのまま口にした。
「練習しなきゃ上手くならないもんな。俺たちレギュラー組じゃないし。なっ」
「そうそう。次の公式戦でスタメンに選ばれたいし。やれる時にやらなきゃな」
そう言った彼らの目はとても輝いて見える。
「そっかぁ! 次はメンバーに選ばれるとイイね! 頑張ってね!」
私がそう言い終えた時、下にいた残りの数人の子ども達が声をかけてきた。
「まさる! 祐介! タケルが来たぞー! 試合してくれるってー!」
まさる君、祐介君、と呼ばれた男の子は、「タケル」と言う名前を聞いて、目をキラキラ輝かせる。
「やった! タケル来てくれたんだ! 行こうぜ、まさる!」
そう言うと、祐介君は河川敷の斜面を滑るように下りて行く。
一人、私の目の前にいる、
まさる君であろう男の子は……
「おねえさんも行こう!」
と、言って私の腕をぐいぐい引っ張って、斜面を下り始めた。
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