1854人が本棚に入れています
本棚に追加
ちょっと苦しくなってきた……
でも15分位…
あと少し……?
もう終わるかな……?
そんな風に、
ちょっと気を抜いた、その時。
「バーーンッ!」
その重く響く音は、
私の胸に飛んできたボールにぶつかった衝撃音だった。
や、やばい、どうしよう……
息が、出来ない。苦しい……
胸に受けた衝撃は、思いのほか強くて。呼吸がうまく出来なくて、苦しい。私はその場にうずくまるしかなく、ひたすらその苦しみと痛みに耐えた。
そんな私を見た、まさる君が慌てて近寄る。
「おねーさん! 大丈夫!?」
まさる君の泣きそうな声だけが、耳に入ってくる。
「やべー、俺どうしよう!」
大丈夫だよ、心配いらないよ。
って、早く言ってあげたいのに、呼吸がしづらくて言葉が出ない。
「おねーさん、ごめんね、本当にごめんね」
とうとう、まさる君は泣き出してしまった。
「ま、……さる……く」
振り絞ったわずかな声を出して、
「だ、いじょ……ぶ!」
と、今出来る笑顔を見せた。
すると……
うずくまっていたはずの身体が、宙をフワリと浮いた。
最初のコメントを投稿しよう!