ー接近ー

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ちょっと苦しくなってきた…… でも15分位… あと少し……? もう終わるかな……? そんな風に、 ちょっと気を抜いた、その時。 「バーーンッ!」 その重く響く音は、 私の胸に飛んできたボールにぶつかった衝撃音だった。 や、やばい、どうしよう…… 息が、出来ない。苦しい…… 胸に受けた衝撃は、思いのほか強くて。呼吸がうまく出来なくて、苦しい。私はその場にうずくまるしかなく、ひたすらその苦しみと痛みに耐えた。 そんな私を見た、まさる君が慌てて近寄る。 「おねーさん! 大丈夫!?」 まさる君の泣きそうな声だけが、耳に入ってくる。 「やべー、俺どうしよう!」 大丈夫だよ、心配いらないよ。 って、早く言ってあげたいのに、呼吸がしづらくて言葉が出ない。 「おねーさん、ごめんね、本当にごめんね」 とうとう、まさる君は泣き出してしまった。 「ま、……さる……く」 振り絞ったわずかな声を出して、 「だ、いじょ……ぶ!」 と、今出来る笑顔を見せた。 すると…… うずくまっていたはずの身体が、宙をフワリと浮いた。
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