プロローグ

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通学途中の河川敷。 いつものように、トボトボ歩く。 眠たくなる授業が終わり、解放的な放課後のはずなのに。 私は、トボトボ歩く。 真っ直ぐ、家へ向かって。 私、川澄 ひまり。 ‘‘ 向日葵のように、明るく元気な女の子になりますように ” と、両親の願いを完全に裏切り、名前負けしている16歳の高校2年生。 生まれつき心臓が悪く、幼い頃から入退院を繰り返してきた。 中学生の時に、命をかけて行った大手術を乗り越えたお陰で、日常生活には支障はないが…… 運動制限もあり、体には無数の手術跡が、何本も真っ直ぐと延びている。 周りからの同情も、腫れ物を扱うような眼差しも、いらない、いらない。 全部いらない。 「どうせ私なんか……」 いつからだろう? この言葉が、口癖になったのは? いつからだろう? この言葉が、諦める口実になったのは?
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