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そう……
…………正昭さんにそっくり。
瓜二つと言っても良いほどに似ているから、私は正昭さんと話しているかのような錯覚に陥った位。
正昭さんはスーツを着こなす、見るからに『ビジネスマン』だったから、AKIさんは話し方も、お2人が放つオーラこそは全く違うのだけれど。
とにかく一つ一つの顔のパーツと声が似ていた。
いや、似すぎている。
正昭さんと、血縁関係にある方?
違う。もっと近いはず。
そう、正昭さんと兄弟?
つまり、
タケルのお父さん……?
そう思い始めたら、私はもう軽いパニックだった。まだ確信めいた事実は何も分かっていないのに。
でもそう思い始めたら、どんどんタケルと同じ面影をAKIさんから探してしまったり。
そんなことを考えていたから、私はどれだけAKIさんを凝視してしまったんだろうか。
「こんな若い子に、こんな長いこと見つめられた経験ないから。おじさん、ドキドキしちゃうよ」
と、AKIさんは笑った。
「あっ、す、すみません! ……知り合いに、とても似てらっしゃったので」
「知り合い? 俺みたいなおじさん?」
「石塚正昭さん……と、言う男性なんですが」
私は、ついに確信に迫った。
予想が当たっているならば――――
思わず喉が鳴る。
すると、AKIさんはさらりと言った。
「え? 正昭?
君、石塚 正昭と知り合いなの?」
その台詞を聞いた瞬間、『繋がった!』って思った。
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