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それから。
私は来る日も、来る日も。
一日のほとんどの時間を、出版準備に当てた。
私と同世代の女の子達が、食べさせたい相手の笑顔を思い浮かべて欲しい。
そんな思いを乗せて。
だからこそ、専門用語は極力使わず、身近な食材で作れて、調味料もあえて買い足すことのない、どこの家庭でも揃うものを心がけたんだ。
「美味しかったよ」
「ごちそうさま」
が笑顔付きで言って貰えたら。
絶対に、その笑顔見たさに、
彼女達はまた作りたくなる。
笑顔の魔法に
かけられたかのように……
その魔法にかけられた女の子達が、どんどん自信を付けて、料理が好きになってくれたら嬉しいな……
そんな風に、打ち込めば打ち込むほど、日にちはあっという間に過ぎた。
そして、ついに
バンコクへの出発を迎えた。
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