『未来へーー』

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「川澄さんみたいに、容姿端麗で何でも思い通りになりそうな感じの子が、あんなに祈るほど叶えたいものが、何なのかちょっとした好奇心」 「なんでも思い通りにならないからこそ、願うんです。でもさっきのは、願いを叶えたい為ではなくて。 自分の想いがドイツに届いて欲しかったからです」 私が発した『ドイツ』という単語に、明らかに反応したAKIさんを見逃さなかった。 「……ドイツ?」 呟くように囁かれた、AKIさんの何か言いたげな口調に、私は思わずこう続けた。 「ドイツにサッカーをしに行っている、大切な人がいるんです。 すごく、すごく大事な彼が、ドイツで頑張っているので。彼にそんな私の想いが届いたらいいなって思っていました」 AKIさんは私の言ったその言葉に、目を丸くした。 「サッカー?」 「はい」 「………君の大事な彼は、ドイツでサッカーをやっているのか?」 「……はい。……AKIさん。 タケル、ドイツですごく頑張っています」 私のその言葉に、AKIさんはこぼれ落ちそうな位の目を大きく見開いたまま、 「タケルを、知っているのか?」 と、聞いてきた。 「……はい。私、タケルさんとお付き合いさせて頂いています。 ご挨拶が遅れて申し訳ございませんでした。先日、タケルさんと話をして、AKIさんがタケルのお父さんであることが、ハッキリ分かりました。 でもその前に。正昭さんとAKIさんがあまりにも似ていらしたから、最初にお会いした時点で、薄々ではありますが気付いていました」 そう言って、私は全てを白状した。
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