運命の始まり

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授業の終わりを知らせるチャイムが、校舎に鳴り響く。 私の通う、この高校は 市内にある進学校だった。 多くの生徒は、部活に入らず 図書館に通う者。 塾に向かう者。 教室に残り教科書を広げる者。 生徒の大半が、良い大学に入り、 安定した一流企業に内定を貰う…… そんな目標を掲げる生徒がほとんどだ。 「ひまり! じゃあまた明日!」 「あっ皐月! 練習頑張ってね!」 皐月は、大きなエナメルバッグを斜めに掛けて、手をヒラヒラと振りながら教室を走り去った。 皐月は学校が終わると、隣の市にある女子クラブチームの練習に行く。 練習時間に間に合わない!と、いつも嵐のように去って行く皐月を見送るのも、私の日課。 ―――― さて、私も帰ろうっと。 皐月のいない学校は、私にとっては居心地の良い場所ではなく。 放課後まで学校に残る選択肢は私にはなかった。 そして、今日もまた…… トボトボ……と歩く。 いつもの河川敷。
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