第2話

初恋は突然に

話掛けられたのは、他の女子社員だった。

「えっとぉ、ここは・・・と・・・」

説明出来ない女子社員。

「しっかりしろよ」

注意されてる・・・。

そんな曖昧な説明じゃ、納得してもらえる訳ないじゃない。
チラリとだけ声の方向に目を向けた瞬間、信じられない光景が私の目に飛び込んで来た。

「はい。すいません」って上目遣いで謝る女子社員の頭を、課長の手がポンポンって・・・

優しく、触れた。

ズキンと胸に鈍い痛みが走り、私はそこから目を離せず硬直する。
やっぱ、可愛い女の子には、そんな優しい笑顔を？
頭をポンポンって、私の時はしなかったのに・・・。

そのショックの中、ようやくしっかりと確認できた課長の顔。

やっぱ、あの俳優に似てる。
悲しいくらいカッコいい。