初恋は突然に

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褒められただけの私。 注意されたのに、笑顔でポンポンされたあの娘。 こちらにやって来るカッコイイ課長。 お礼言わなきゃ。 そう思うけど、声が出ない。 あんな可愛い女の子の笑顔の後に、黒縁メガネのセンター分けが声を掛けても、見劣りがするだけ。 無理。無理よ。こんな容姿じゃ、課長の傍になんか行けない。 私は、上げかけていた腰を静かに下ろした。 再び下を向いて仕事を始める。 当然、課長は私の隣で立ち止まることなく、通り過ぎて行った。
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